「クライメートゲート」事件は気候科学者の悪事を露呈した
科学的知見...
多少不快な通信はあったが、文脈と科学的知見に基づいた検証によれば「示唆する」メールは全て査読を受けた研究で既に知られている専門的な議論で成り立っている。疑わしいと仮定されるメールは、人為地球温暖化の膨大な経験的証拠の前では、単に迷惑にすぎません。
ハッカーがイースト•アングリア大学(UEA)の気候研究ユニット(CRU)のデータベースに侵入し、盗んだファイルをインターネット上に載せました。公開された1079通のメールと72の文書は、科学者らが人為温暖化をでっち上げた証拠となりえます。この事件は科学者の陰謀、データを誇張するための共謀、好ましくない情報の不法な消去、データの開示に対する組織的抵抗、データの改竄、研究結果とその主張に由来する欠陥の自認、など様々な事が示唆される。(Andrew Bolt, Herald Sun)
2009年11月、英国にあるイースト•アングリア大学のサーバーが不法侵入され、メールが盗まれました。選抜されたメールがインターネットに掲載された時、少数の「示唆する」メールが引用され、温暖化科学陰謀論が浸透した。ハックされたメールの真相は何なのでしょうか?
いくらかのメールは筆者にとって恥ずかしいものです。ひとつのメールでは名の知れた懐疑者の死を願っているものもあります。しかし重要なのは、これらのメールが本当に気候データの改竄を暴露するのかどうかです。改竄されたかどうかを明らかにするためには、ちゃんと科学を基盤に置いた文脈を把握して検証する事が重要です。
「マイクのネイチャートリック」と「下落傾向を隠す」
「懐疑派」が引用したメールで一番多かったのがフィル•ジョーンズ(Phil Jones)のメールです(強調は著者):
「先程マイクのネイチャートリック、すなわち、下落傾向を隠すためにキースのシリーズは1961年から、他のシリーズは1981年から、実際の気温を付け加える作業を完了しました。」
「マイクのネイチャートリック」はマイケル•マン(Michael Mann)のネイチャー誌で掲載されたテクニック(又はコツ、技)の事を指します(Mann 1998)。この「トリック」は近年の機器データを復元データと一緒にグラフするテクニックです。最近の温暖化を昔の気温変動の文脈に乗せるためです。
このメールに対して最も多い誤認は、「下落」という言葉です。これは温度の「下落」ではなく、1960年以降の年輪データの信頼性の下落です。これを「divergence problem」と呼び、樹木年輪の復元が計測機器の気温と1960年以降分岐してる事を指します。この分岐問題(*他に呼び方が見つかりません(涙))は査読を受けた論文の中では少なくとも1995年から議論されてきました。諸説はいろいろあるが、近年の加速的な温暖化が樹木の生長に変化を齎すという仮説が最有力です(Briffa 1998)。最近ではWilmking (2008)が分岐問題を排除する研究を出しています。つまり、フィル•ジョーンズのメールはデータを改竄する共謀でもなんでもなく、論文でオープンに出されているテクニックを使った専門的な議論がしていただけです。ホッケースティックの分岐問題について…
トレンバースの「気温の上昇が見られないのは滑稽だ」
二番目に広く煽られたメールが、IPCC筆頭著者のケビン•トレンバース(Kevin Trenberth)のメールです。良く引用されるのが、「私たちが世界の気温の上昇が見られないのは滑稽だ」。解釈によって、科学者達が温暖化の停止を認めたともとれます。ケビン•トレンバースは実際、エネルギー収支の最新の研究をつづった発表論文の事を指していました -- 正味エネルギーがどれだけ気候に出入りするかの研究です(Trenberth 2009)。
トレンバースの論文では二酸化炭素の増加による地球温暖化の強い関係を表しています。それにもかかわらず、表面温度は時に短期の寒冷期間を示します。これは内部変動性によるものだが、トレンバースはこの変動を未だに包括的に全て把握できていない事に満足していないと強く明言したものです。トレンバースの滑稽について…
人為的地球温暖化の全体的な証拠
ここで重要なポイント:これらのメールは一握りの科学者が一握りのデータの議論を紹介している事です。問題視されているデータが例え無くても、世界中の独立した科学機関がまとめた一貫性のある圧倒的な証拠が人為的地球温暖化を示しています。
地球は今でも堅実に熱が蓄積されている。大気、陸地、そして海洋の貯熱量に加え、氷河や氷床を融かすエネルギーを考慮すると、ここ40年190,260GWの速度で熱が蓄積してます(Murphy 2009)。原子力発電所の平均発電量が大体1GWとすると、現状の温暖化は19万基以上のエネルギーを地球上に注いでるとも考えられます。
北極から南極まで、地球上の貯熱が氷の減少の原因になっています。現在グリーンランドと南極、両方の氷は加速的に融解している(Velicogna 2009)。東南極が溶けるには気候が寒すぎるとされてきたが、今や氷の質量は減少しつつあります(Chen 2009)。氷河の縮小も加速している。北極の海氷は鋭く減り、IPCCの最悪ケースをも超過しています。海洋の温暖化と氷の融解が合わさって、海面水位の上昇がIPCC予測の上限まで達しています。
気温上昇は動植物にも大きなインパクトを齎している。木ライン、植物、多数の動物種の分布が徐々に比較的涼しい気候へ移ってきてます。立春の日が早くなるたびに、動植物はそれぞれの習慣を変えて適応します。蛙の繁殖期、鳥の巣作り、植物の開花期、渡りをする動物の移動、全てが普段の年より早く開始しています(Parmeson 2003)。他にも広範囲に及ぶ温暖化の物理的なサインがある。一つは対流圏の高度が高くなっている(Santer 2003)。北極圏の永久凍土は北半球の25%ほど占めてきたが、今や融解が激化してる(Walsh 2009)。熱帯が広がっている(Seidel 2007)。これらの結果は全て地球温暖化と一貫しています。
熱の蓄えは何故起きているのか?人間は莫大な量の二酸化炭素を大気に排出してる。2009年には290億トン排出しました(CDIAC)。温室効果の理論によれば、二酸化炭素の増加は宇宙へ抜け出す熱を閉じ込める。この増加に対して何が観察できるか?二酸化炭素は決まった波長領域で熱を吸収する。過去四十年の人工衛星の観測によれば、二酸化炭素の波長では熱が宇宙へ逃げる量が減ってきています(Harries 2001,Griggs 2004, Chen 2007)。地上の観測によれば、地球の表面に戻ってくる熱が上昇している(Philipona 2004)。衛星観測と同様に、二酸化炭素の波長帯域で熱の上昇が観察されている(Evans 2006)。これが温暖化の所謂「人間の指紋」です。
地球温暖化の存在とその原因が人為起源だという複数の一連の証拠があります。少数の「示唆する」メールは、温暖化の存在に対して懐疑的な方々には有効な混乱手段として使えます。しかし、温暖化の科学的知見は変わりません。
もっと観る
もっと読む
英国の庶民院は盗まれたCRUのメールの調査で、フィル•ジョーンズの容疑は晴らされたとの結論に至りました:
「ジョーンズ教授とCRUに当たった焦点は大きく履き違えてます。生のデータとコンピューターコード開示の拒否についてジョーンズ教授が非難されているが、彼の行動は気候科学コミュニティーの日常茶飯事に沿ってます。私達はコミュニティーにデータやメソッドの開示過程をより透明にと提案しました。情報自由法に関する告発はCRUではなくUEAに責任があるとみなします。
さらに、不正行為の告発をみなす限りにおいて -- 例えばジョーンズ教授の「下落傾向を隠す」試みの申し立て -- 被告人が答える事件は無いと判断します。事実探求の調査の範囲内では、ジョーンズ教授とCRUの評価は依然として損なわれません。私達は、ベディングトン教授(John Beddington)が言うように、「温暖化は未だに行われ、人間によって引き起こされています」という科学的一致を疑う余地はありません。」
Official statement from Climatic Research Unit (CRU)
「…このように一部の人達が科学者コミュニティー全体に意図的な欺きや職業的不正行為を訴える現象は前代未聞です。かつてタバコ会社がタバコの悪影響を誤摩化そうとした時さえ正当な癌科学者達を中傷する事は無かった。」
ジョージ•モンビオット(George Monbiot)がハッカー事件の中で最も有害なメールを暴露しました(The Knights Carbonic)。
「そして私達は最も危険な仕事を開始しました:機器記録のコントロール。科学界の合意を確保するのは容易な事だった。しかし温度計は既に広く活用され、素人気象学者はもう自ら気温を測っていた。産業革命以来の気温上昇を偽造しなければならなかったが、一部の痛ましい人間らは遺憾を示した。警察と検死官の世界規模の支配は前例無比な資源を必要としたが、今のところ足跡を隠す事ができている。
物理的世界の支配は同じように成功した。北極の氷帽を薄める事ができたのは神業だった。北極圏にある秘密の原発の輪は気づかれてない。同様に宇宙に浮遊する氷河融解用のレイザーも感づかれていない。
野生生物の渡りと繁殖パターンの軌道修正は比較的難しかった。科学者達はもはや手中にあるが、農民、庭師、野鳥観察家らの独断の観察は統制できない。故に、鳥や魚や昆虫の移動は無理矢理追いやり、植物の開花と成熟を促進させるために、空気中に植物フェロモンを100万トン規模でばらまいた。これらの行動は過激な資金投資が必要であり、従順な政府から隠密に公共資金を流用しました。」
もう一つのひょうきんなパロティーがニュートンゲートです(Newtongate: the final nail in the coffin of Renaissance and Enlightenment ‘thinking’ )。ニュートン自らニュートン物理学と積分を抗う「メール」を紹介しています。。
Translation by apeescape, . View original English version.
懐疑論...